色の解像度と中間調表現
色の解像度
色をRGBで表す場合,それぞれの成分 (チャンネル) を8ビット=256階調で表すと,人の目では階調の差が区別できなくなる。したがって,パソコンレベルでは,フルカラーの画像を,RGB 各8ビット,あわせて24ビット (16,777,216色),あるいはそれ以上で表すのがふつうである。
画像データの形式も,フルカラー画像に対応した形式が一般的であるが,GIF 形式などのように最大256色のインデックスカラーしか扱えないものがある。逆に,明るさの補正や色調の調整などの加工に耐えられるようにダイナミックレンジを広くとった,16 ビット/チャンネル
(16ビット=6万階調) 対応の Photpshop PSD 形式や 16ビット TIFF 形式などもある。
* Photoshop で写真の色調整をするばあい,作業中は 16ビット/チャンネル モードで行うほうがよい。
8ビット/チャンネルのままだと,ぼかした選択範囲を使ったりトーンカーブを多用したときに,階調の差が目立つようになることがある。
* 一眼デジカメではふつう,画像を生の RAW データとして保存できる。RAW データは 12〜14ビット/チャンネル の色解像度を持っているので,現像処理の段階でかなりの色調整が可能である。大切な写真は RAW データで保存するとよい。また,多くの一眼デジカメは 16 ビット TIFF 形式もサポートしているので,こちらで保存するのもよい (ただしファイルサイズはかなり大きくなる)。
48ビット (16ビット×3)
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約280兆色
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16 ビット/チャンネル モード
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24ビット (8ビット×3)
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16M色 (1600万色)
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フルカラー
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16ビット 15ビット (5ビット×3)
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64k色 (6万色)
32k色 (3万色)
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ハイカラー
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8ビット
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256色
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インデックスカラー,パレットモード
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いっぽう,ディスプレイに画像を表示するばあい,グラフィックアダプタによっては,同時に表示できる色数に制限がある場合がある。
たとえばフルカラーの画像を,色の解像度が低いモードで表示するとつぎのように見える。
今はフルカラー表示があたりまえになっているが,1990年代には256色しか表示できないコンピュータもけっこうあった。
中間調表現 (Half Toning)
使える色数が限られた環境でフルカラーの画像を表示する場合,色を散らして配置することによって中間の色に見せるテクニックが使われる。
インクジェットプリンタなど,限られた数のインクでフルカラーの画像を印刷するときは,中間調表現のテクニックが欠かせない。
また,インデックスカラーしか使えない環境でフルカラー画像を擬似的に表現するときも,中間調表現が使われる。
色を散らして配置することをディザ (dithering) という。ディザには,規則的ディザと誤差拡散法がある。
たとえば Photoshop では,フルカラー画像をインデックスカラーモード (256色以下) に減色するとき,ディザを「なし」
「誤差拡散法」
「パターン」から選ぶことができる。
規則的ディザでは,ふつう図のような 4×4 ピクセルのパターンが使われる。
誤差拡散法は,乱数を使いながら,本来の色との誤差が最小になるように色を配置する方法で,インクジェットプリンタなどで広く使われている (図参照)。
4×4 ディザパターン
ディザの種類
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モノクロ画像(2色表示)
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フルカラー画像(8色表示)
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規則的ディザ
(パターン)
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誤差拡散法
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* Photoshop でカラープロファイルを変換するとき,カラー設定で「ディザの使用」を ON にしていると,8ビット/チャンネル
モードでは,変換後の RGB 値が一般に整数にならないので,ディザで中間の色を表現することになる。
この画像を加工してコントラストを上げたりすると画像が多少ざらつくようになる。
プロファイル変換を 16ビット/チャンネル モードで行ったときは,ディザは使われない。
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T. Fujiwara