数学では, \( a, b, c \) や \( x, y, z \) のような一般的な変数を使うので微分や積分の単位を意識することがあまりないと思うが, 物理学では微分や積分でも単位を考えないといけない。 すなわち, 微分は除算の一種なので単位も除算になる。また積分は乗算の一種なので単位も乗算になる。 たとえば, 位置 \( x \) を 時間 \( t \) で微分したものが速度 \( v \) なので, 速度を微分で表すと
となる。ここで, 微分は無限小の \( x \) を無限小の \( t \) で割った極限という意味なので, 単位は\( x/t \) と同じになる。
また, 積分は, 被積分関数(\( f \) とする) に無限小の\( x \)である \( {\text{d}}x \) を掛けたもの, すなわち \( f\,{\text{d}}x \) の寄せ集め
たとえば, 球の表面積 \( 4\pi {r^2} \) に無限小の厚み \( {\text{d}}r \) を掛けてできた球殻を中心からある半径まで寄せ集めると球になる。 すなわち球の体積は,
したがって積分の単位は, 球の表面積すなわち (長さ)2 に (長さ) を掛けたもので, (長さ)3 つまり体積になる。
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T. Fujiwara, updated 2024/10