超々入門 単位換算 — [コラム] コインパーキングの料金表示


物理量ではないが, コインパーキングの料金表示はどうもおかしい。 たとえば, 1時間あたり200円のときは, 200円/時間 と書くべきだが, たいていの駐車場では 1時間/200円 とか 60分/200円と書いてある。 これだと, たとえば (1時間/200円) × 600円 = 3時間 のように, 料金を与えて時間を計算する式ということになる。 ほんとうは 200円/時間 と書くべきだ。 そうすると, (200円/時間) × 3時間 = 600円 のように料金を求める式になる。

日本語では料金を「1時間あたり200円」のように表現するので,  /  が除算を表すことも知らず単純に「あたり」を  /  で置き換えて, あとは語順のとおりに書いてしまったと思われる。 時間あたりの料金を「毎」を使って 200円毎時 と表現すると, 自然に 200円/時間 と表記できるようになるのではないだろうか。 英語では 200 yen per hour と表現するので, per を / に置き換えるだけで正しい単位になる。 日本語でも「~あたり」の代わりに, 前置詞のように並べる「毎~」を使うようにすると, 毎 を / に置き換えるだけで正しい単位表記になるので間違いが減るにちがいない。 じっさい, 毎 を使う台湾では単位表記が正しくなっている。 もっと 毎 を使おう。


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駐車場の料金表示1 間違い   駐車場の料金表示2 正   駐車場の料金表示3 台湾
よく見かけるこの表記は間違い
これは 200円あたり60分 の意味
  まれに正しい表記がある   台湾では正しい表記になっている

* 写真は Google ストリートビュー より作成



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T. Fujiwara, updated 2024/10